瀬戸内寂聴さんを忘れません お別れの会に林真理子氏ら287人参列 平野啓一郎さん弔辞
昨年11月に99歳で死去した作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんのお別れの会が26日、都内で開かれ、287人が参列した。
祭壇は昨年12月9日、京都・寂庵でのしのぶ会でも使われた4色のアナスタシアを主体に、寂聴さんが大好きだった黄色のバラと胡蝶蘭を配した。遺影は19年10月に篠山紀信氏が撮影したもの。参列者は4色のカーネーションを献花した。
司会はフリーアナウンサーの有働由美子(53)が務めた。作家の林真理子さん(68)が献杯の音頭を取り、家族ぐるみの付き合いで、寂聴さんから依頼されていたという作家の平野啓一郎さん(47)が弔辞を読んだ。
林さんは「先生がおっしゃった最大のホラは『作家なんて、死んじゃったら、本屋から本なんか消えて忘れられちゃう』とおっしゃったこと」と述べ、今年も全集が出版され、ドキュメンタリー映画や寂聴さんがモデルの映画も公開され、展覧会も開催される“寂聴ブーム”を報告した。
旧名・瀬戸内晴美時代からの間柄であるノンフィクション作家の澤地久枝さん(92)は「いつも編集プランをくれる人でした。サービス精神旺盛で、何が必要なのか、分かっている人。いつも長電話になるので、電話代が心配でした」と回想。
子供時代から付き合いがあった作家の江國香織さん(58)は「学生時代、『小説を書くにはストリップする度胸が必要なのよ』と言われたことがあった(中略)5、10年を経て、本当にストリップする度胸が必要だと分かりました」と、寂聴さんの教えを明かした。
最後は寂聴連の6人が祭壇前で阿波おどりを披露し、閉幕した。
◆主な参列者 阿川佐和子(作家)、加藤登紀子(歌手)、島田雅彦(作家)、白井勝也(元小学館最高顧問)、寺島しのぶ(女優)、南果歩(女優)※五十音順、敬称略