水木一郎 魂の熱唱 肺がん公表後初ステージ 病気との闘いへ「頑張るゼーット!」
日本を代表するアニソン歌手の水木一郎(74)が30日、大阪・なんばHatchで行われた「ANIME JAPAN FES 2022大阪」に出演。昨年4月にリンパ節転移と脳転移を伴う肺がんが見つかり治療中であることを26日に公表して以来、初めてステージに立った。盛大な手拍子に迎えられ登場したアニソン界の“アニキ”は代表曲「マジンガーZ」などを熱唱し、満席の会場を沸かせた。
会場につめかけた約800人の手拍子が“アニキ”の登場を待っていた。盟友で声優の堀江美都子(65)に手を引かれ、一歩ずつゆっくりと歩みを進める水木。MCから「アニキ、おかえり!」と出迎えられ「病気をしたけど、頑張ってステージに帰ってくることができた」とうなずくと、会場は惜しみない拍手につつまれた。
病気を感じさせない歌声を披露した水木。ステージから見えるファンの笑顔が並ぶ景色に「うれしくて言葉がないんですよ、顔を見るだけで泣けてくる」と感慨深く言葉を紡いだ。
1968年にデビューして50年あまり、休むことなく歌い続けてきた水木に立ちはだかった病魔の壁。歌手活動を続けるため、声帯内注入術や、言語聴覚士、理学療法士によるリハビリを懸命に受ける日々を送っている。闘病中の苦しい心を奮い立たせたのはファンの存在。がん公表後、自身に届いた激励の声に「元気をもらったし、本当に感激しています」と感謝した。
代表曲「マジンガーZ」を手がけた作曲家の渡辺宙明さんが6月23日に死去。「この曲と出会って、僕の運命が変わった」とした水木は「天国にいる宙明先生にささげます」と熱唱。コロナ禍を考慮して「(ゼーット!は)心の中でね」と観客に呼びかけ笑いを誘いつつ、歌声で盛り上げた。
ステージ終盤には「生涯現役狙ってますから」と宣言。ファンのボルテージが一段と上がる中、最後は「頑張るゼーット!」と病気との闘いへの決意を込め、締めた。