里見女流五冠敗れる 女性初タイトル戦本戦白星ならず
女性で初めてタイトル戦の本戦に進んだ里見香奈女流五冠(清麗、女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=30)と阿久津主税八段(40)が対局する第48期棋王戦挑戦者決定トーナメントが15日、大阪市内の関西将棋会館で指された。
後手の阿久津八段が142手目で勝利。先手の里見女流五冠は敗れ、タイトル戦本戦での女性初白星はならなかった。
お互いに持ち時間を使い切り、1分将棋となった激戦。終始、優勢だった阿久津八段が、しぶとく粘る里見女流五冠を寄せ切った。
敗れた里見女流五冠は「終盤、良くなった局面もあったと思ったんですけど、そこであせり過ぎて。ゆっくり指すつもりが…。実力不足だったと思います」と振り返り、「自分の力を出し切れましたし、課題も見つかったので、修正していきたいと思います」と気持ちを切り替えていた。
激闘を制した阿久津八段は「自信がなかった時間が多かったです。チャンスはお互いにあったと思う」と語り、里見女流五冠については、「結構、我慢するところは我慢して、時間を使っていたなあと。しっかり丁寧に打っていましたし、何度も負けたかと思った局面もありました」とたたえていた。
里見女流五冠は18日に徳田拳士四段(24)と女性初のプロ棋士編入試験第1局が控えている。