里見香奈女流五冠 棋士編入試験は黒星スタート 女性初のプロ棋士へ厳しい船出
女性初のプロ棋士を目指す里見香奈女流五冠(清麗、女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=30)が挑むプロ棋士編入試験五番勝負第1局が18日、大阪市内の関西将棋会館で指され、里見五冠は127手で徳田拳士四段(24)に敗れた。歴史の扉をこじ開ける挑戦は、厳しい船出となった。
振り駒の結果、徳田四段の先手で始まった本局。徳田四段が居飛車を採用したのに対し、里見女流五冠は得意のゴキゲン中飛車で応戦。中盤までは互角の攻防を繰り広げたが、徐々に徳田四段にペースを握られた。反撃の糸口をつかもうと、粘りを見せたが「局面が苦しかった」と相手に傾いた流れを取り戻せなかった。
女性初のプロ棋士誕生に向けて、注目の五番勝負は黒星スタート。それでも「注目していただけるのはすごくうれしい」と感謝し、「こういった大きな舞台で指せることはなかなかないので、次局以降もしっかり準備して挑めたら」と前を向いた。
編入試験は若手棋士5人と対局し、3勝すれば合格となる。第2局は9月22日、東京・将棋会館で指され、対局相手は岡部怜央四段(23)が務める。