将棋の藤井聡太王位（２０＝竜王、叡王、王将、棋聖との五冠）が豊島将之九段（３２）の挑戦を受ける第６３期王位戦七番勝負第４局２日目が２５日、徳島市の渭水苑で指され、藤井王位が９５手で勝利。シリーズ成績を３勝１敗とし、王位３連覇に王手をかけた。当初１５、１６日に予定されていた第４局が豊島九段の新型コロナウイルス感染で延期され、１カ月以上ぶりの対局となったが、“ブランク”を感じさせない指し回しで完勝した。

　互角で迎えた２日目。豊島九段の封じ手は「勝負手」とも言える銀のタダ捨て。藤井王位は「予想していた手ではなかった」と話したが、１時間超の長考で冷静に対応して優位に立つと、その後も着実にリードを拡大し、大差で押し切った。

　藤井王位は局後「序盤から見慣れない形になって、局面の判断や構想を立てるのが難しい場面が多かった」と淡々と振り返った。９月５、６日に静岡県牧之原市の「平田寺」で指される第５局に向けては「準備して良い状態で臨めればと思います」と話した。コロナ感染明けの一局を落とし、カド番となった豊島九段は「体調は問題なく指せた。また次局以降頑張りたい」と逆襲を誓った。