梶原善 三谷幸喜氏の「代表作にしろ」を全う 「鎌倉殿」“最恐アサシン”善児を怪演
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合。日曜、後8・00)で、北条宗時(片岡愛之助)ら何人もの命を無慈悲に奪ってきた暗殺者・善児が、28日放送の第33回「修善寺」のラストシーンで最期を迎えた。“最恐アサシン”として視聴者を震撼させた善児役を演じた俳優・梶原善(56)が、このほど、デイリースポーツなどのインタビューに応じ、役柄への思いを語った。
オープニングにクレジットが踊るたび、「今日もまた誰かが殺されるのか」-と視聴者をザワつかせてきた。梶原と劇団「東京サンシャインボーイズ」時代から旧知の脚本・三谷幸喜氏(61)によって生み出された架空のキャラクター。伊東祐親(浅野和之)に仕える下人で、八重(新垣結衣)の愛息・千鶴丸や北条義時(小栗旬)の兄・宗時らを次々に暗殺。表情には出さず淡々とその“仕事”を全うしてきた。
そんな善児の最期は壮絶だった。孤児として育ててきた弟子のトウ(山本千尋)にトドメを刺され、絶命する。「架空の人物で身分的にも『鎌倉殿-』の中で一番低い男が、大河のラストカットをやれるという。いまだかつてあったのかなと」。梶原は役者としての誇りをにじませた。
不気味な存在感で、SNSでトレンド入りするなど作品屈指の人気キャラに。しかし「劇団時代から立ち回りとかやらせてもらってましたけど、ここまで人をあやめることはなかった。役とはいえ、人を殺すっていうのは演技としても堪えるものなんだなと」と複雑な心境を吐露。一方で「家族はそんなに心を痛めてないみたいで、評判になってることを喜んでる」と苦笑し、自身の性格について「情にもろい方です」と明かした。
「三谷さんに『代表作にしろ』と言われて。架空の人物で人をあやめてるだけの役を代表作にしろって、何を言ってるんだろうと思った」と話したが、唯一無二のハマリ役となった。全うした今、「もうちょっと暗躍し続けたかったというのもあるし、気絶か何かで済ませてくれないかなと。後ろ髪引かれてるのが正直なところ」と余韻が残っている。