吉田ヒロ 2000個のギャグを持つ“ギャグ量産マシン” 笑いへの貪欲さは健在

 デイリースポーツ紙上での好評企画「何でも50選」では、9月1日から「吉本創業110周年 新喜劇ギャグ」と題し、これまでの吉本新喜劇の定番ギャグから50本を紹介する。それに先立ち、作ったギャグは約2000本という、よしもとの“ギャグ量産マシン”こと吉田ヒロ(55)に、ギャグや新喜劇に対する思いなどを語ってもらった。

 おなじみの「まゆ毛ボーン」、「ちちくりマンボ」をはじめ、これまで数多くのギャグを作った。現在、吉本新喜劇で活躍中の吉田は「2000個くらいはありますね」と豪語する。来春に吉本興業からギャグコレクションカードを販売する構想があり、その中心人物としても一役買っている。

 マネジャーから「ヒロさんといえばギャグなので、やってみたらどうですか」と言われ、昨年の8月1日から今年の7月31日まで1年間、その日扱うネタを考え、SNSでギャグを発信。「大変でした。自分を追い込ましたね」と言いながらも、達成感を味わっていたようだった。ギャグを考えるのがよっぽど好きなのだ。

 「まゆ毛ボーン」は若手の頃、ダウンタウンが司会をしていたテレビの生番組で松本人志にCM直前で振られ、とっさに出た。「ちちくりマンボ」は温めていたギャグ。自分が運転していた車を止め、その車の前でフロントガラスをテレビの画面に見立て助手席の友人に披露。「オモロイ」と絶賛され、実際にテレビで使うようになった。

 1989年に新喜劇に入団。一度は卒業したが、2年ほどして復帰。座長を8年ほど務め、現在は一座員として存在感を示している。新喜劇歴30年を超えるベテランだが、「自分の役割だけを頑張ればええかな」とあくまで自分流を貫きつつ、「今の後輩は器用なので、勝手に成長しますから。変に邪魔しない方がいい」と後進を温かく見守っている。

 今年、間寛平が新喜劇のGMに就任。「あんなむちゃむちゃ人が上におるなら、もっとむちゃをしてやろうかな」と不敵な笑みを浮かべつつ、「寛平兄さんがGMになりはって、いい風が吹いているんちゃいますかね。みんな、どっかで自由にできるとか思っているかと」と、自身だけでなく周囲のテンションも上がっている。

 コンプラ時代を迎え、以前はセーフだったギャグやネタが、現在ではアウトに。笑いの表現も難しくなった。

 「型にはまったことが、あまり好きじゃないので。むちゃしながら『俺ってやるやん!』みたいな感じがいいですね。ここまでは『いける!』とか。舞台に上がると、自分のコーナーじゃないですけど、そこは楽しんでやろうと」

 55歳を迎えても、笑いに対する貪欲さは健在だ。

 ◆吉田ヒロ(本名吉田弘典)1967年8月4日生まれ、神戸市出身。NSC大阪2期生。卒業後にお笑いコンビ「ボブキャッツ」を結成。89年、吉本新喜劇入団。ダウンタウンの東京進出に伴い卒業も、しばらくして復帰。8年ほど座長を務め、現在は一座員として存在感を示している。阪神ファンで、趣味の絵は個展を開く腕前。

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