藤井王位3連覇 20歳初防衛 タイトル戦負けなし!史上最年少&最速10期到達
将棋の第63期王位戦七番勝負第5局2日目が6日、静岡県牧之原市「平田寺」で指され、藤井聡太王位(20=竜王、叡王、王将、棋聖との五冠)が豊島将之九段(32)を128手で破り、シリーズ4勝1敗で王位3連覇を果たした。2020年7月にタイトルを初獲得してから、最速&最年少での通算10期到達。7月に20歳になってからは初のタイトル防衛となった。
先月に20歳に到達したばかりの青年が、早くも大台に到達した。藤井王位は今回でタイトル戦10回登場、敗退なし。タイトル初獲得から2年1カ月での10期到達は、中原誠十六世名人(75)の持つ4年0カ月を大幅更新する最速記録だ。羽生善治九段(51)でさえも10期到達までに2度敗退、4年1カ月を要している。節目の対局でも、表情は変わらず涼しいままだった。
昨年3つのタイトル戦で撃破した、かつての難敵・豊島九段と、2年連続で相まみえた。開幕局は完敗だったが、その後は4連勝締め。本局は第1~4局と同じく角換わりへ。豊島九段も必死に食い下がり、終盤までほぼ五分の大熱戦を繰り広げたが、最後は冷静に豊島玉を追い詰めた。藤井王位は「玉が薄くて自信がなかったけど、崩れずに指すことができた」と語った。
本シリーズを「難しい将棋ばかりだったけど、その中でも結果を出すことができて良かった」と前向きに総括。10期到達最年少記録も、羽生九段の持つ23歳4カ月を3年近くも更新する20歳1カ月と記録ずくめだが、「あまりタイトル獲得自体は意識していない」といつも通り。「来月から竜王戦もある。どの対局にも良い状態で臨めるよう、意識してやっていけたらと思います」と早くも次の決戦を見据えた。
本シリーズ中の7月に20歳を迎え、20代初防衛。今期は竜王と王将の防衛戦が控え、棋王への挑戦が可能だ。最速での来年八冠制覇へ、ここからギアを上げていく。