王位を３連覇した将棋の藤井聡太王位（２０＝竜王、叡王、王将、棋聖との五冠）が７日、静岡県牧之原市で一夜明け会見を行った。６日に王位を防衛し、タイトル初獲得から史上最速、最年少で通算１０期に到達した。

　改めて今期王位戦を「大変な対局ばかりだったのでその中で結果を出せたことはうれしいですし、収穫かなと思っています」「序盤で離されず、難しい形勢で中盤以降に持ち込めたと思うので、その点は前期よりよくできた」と回顧。

　盤外でも「第２局や本局など初めて行くところも多くて、自分自身楽しみながら対局することができた。嬉野は延期になってしまったけど、今期は（イベントで）現地に伺うことができて、いい思い出になりました」と充実したシリーズだったと話した。

　現状の課題には「昨日の対局のような定跡から外れた中盤戦で、局面を判断してどういう構想で指していくかは一番難しいと感じている。そういう力をちょっとずつ上げていかないといけない。今までよりは良くなっていると思います」と語った。

　１０月からの竜王戦で、挑戦者に決まった広瀬章人八段（３５）については、「タイトル戦は初めて。長い持ち時間ですと読みの深さがすごく出ていると感じるので、自分も対抗できるようにやっていきたいと思います」と分析した。

　鉄道好きの藤井王位。「そんなに最近鉄道に乗る機会が無いんですけど、今月西九州新幹線が開業するので、どこかの機会で乗りに行くことができればなと思います」と興味を示していた。