藤井聡太王位「収穫あった、いい思い出」 史上最速&最年少通算10期王位防衛一夜明け
王位を3連覇した将棋の藤井聡太王位(20=竜王、叡王、王将、棋聖との五冠)が7日、静岡県牧之原市で防衛一夜明け会見を行った。6日に挑戦者の豊島将之九段(32)を4勝1敗で破り、王位を防衛。タイトル初獲得から2年1カ月の史上最速、20歳1カ月の最年少で通算10期に到達。シリーズを振り返り「収穫があった」と充実感たっぷり。地方行脚も「いい思い出になった」と目を細め、10月からの竜王戦へと目を向けた。
勝負の緊張から解けた和らいだ表情で登壇した藤井王位。改めて今期王位戦について、前向きな言葉で語った。「大変な対局ばかりだった。その中で結果を出せたことはうれしいですし、収穫かなと思っています」。昨期も豊島九段を相手にして防衛。当時は厳しい表情で序盤が課題と話したが、この日は「序盤で離されず、難しい形勢で中盤以降に持ち込めたと思うので、その点は前期よりよくできた」と充実感を込めた。
盤外でも「第2局(札幌対局)や本局など初めて行くところも多く、自分自身楽しみながら対局することができた」と満足顔。第4局に予定されていた佐賀・嬉野対局は、昨年は豪雨災害で、今年は豊島九段のコロナ感染でなくなったが、「今期は(イベントで)現地に伺うことができて、いい思い出になりました」と口にした。
10月7、8日から竜王戦が開幕する。挑戦者は広瀬章人八段(35)に決定しており、タイトル戦では初顔合わせ。「長い持ち時間ですと読みの深さがすごく出ていると感じる。自分も対抗できるようにやっていきたいと思います」と警戒した。
鉄道好きの藤井王位。興味のある路線について質問が飛ぶと、「最近はそんなに鉄道に乗る機会がないんですけど」と前置きしつつ、「今月、西九州新幹線が開業するので、どこかの機会で乗りに行くことができればなと思います」と、23日に博多-長崎間で開業する「新幹線かもめ」に言及。趣味の最新情報チェックもぬかりないようだ。