親交を深めてきたエリザベス女王と日本の皇室 75年にはフィリップ殿下と来日

 英国のエリザベス女王が8日、滞在先のスコットランド・バルモラル城で死去した。96歳。英王室は「安らかに息を引き取った」と発表した。在位期間は約70年7カ月にわたり英歴代君主として最長。英史上最高齢の君主で、世界の存命する君主の中でも最高齢だった。

 天皇陛下は「深い悲しみの気持ちと心よりの哀悼の意を表します。数多くのご功績とご貢献に心からの敬意と感謝を表明いたします」との「お気持ち」を公表された。エリザベス女王と日本の皇室は、長年にわたり親交を深めてきた。皇太子時代の上皇さまが1953年、昭和天皇の名代として女王の戴冠式に参列したことをきっかけに、戦後の欧州王室との親善が育まれた。

 98年、在位中の上皇ご夫妻は国賓として訪英。女王が主催したバッキンガム宮殿での晩さん会で「戦争により人々の受けた傷を思うとき、深い心の痛みを覚えます。両国の間に二度とこのような歴史の刻まれぬことを衷心より願う」と述べた。女王は「痛ましい記憶は、今日も私たちの胸を刺すものですが、同時に和解への力ともなっています」とスピーチした。

 天皇陛下は83年から約2年間、英オックスフォード大に留学。女王に招待されて、王室が夏を過ごすバルモラル城で3日間を送り、「家族の一員に加えてもらったような印象を受けた」(85年記者会見)と感謝した。

 女王は75年にフィリップ殿下と来日した。新幹線を「時計より正確」と称賛。東京・渋谷のNHKスタジオでは大河ドラマ「元禄太平記」の撮影を見学した。言葉を交わした主演の石坂浩二(81)は「あの気品と威厳に満ちたまなざし、お話しされると優しさと思いやりが伝わってきたことを決して忘れません」と悼んだ。

 女優の黒柳徹子(89)は英国大使館のパーティーで対面。「女王様ほど、正直で、おかわいらしくて、そして威厳のある方に、それ以来お目にかかっていない」としのんだ。

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