稲垣吾郎×新垣結衣で「正欲」映画化 朝井リョウ氏作家生活10周年こん身の一作
作家・朝井リョウ氏(33)による話題小説「正欲」が映画化されることが11日、分かった。来年公開予定。主演を俳優・稲垣吾郎(48)が務め、女優・新垣結衣(34)が出演する。「桐島、部活やめるってよ」「何者」などの話題作を世に出してきた朝井氏が、作家生活10周年で書き上げたこん身の一作を名優2人が彩る。
同作は、家庭環境、性的指向、容姿など、異なった“選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、生きていくための推進力は何なのかというテーマをあぶり出していく物語。この原作を「あゝ、荒野」(17年)「前科者」(22年)などを手がけた岸善幸氏がある種のラブストーリーとして映画化する。
稲垣は横浜検察庁に務める検察官で、自分の力でマイホームを持ち、妻と小学校不登校の子を養う寺井啓喜役を演じる。脚本を読み終えた際「この作品に関われることを嬉しく思いました」と高揚感を覚えたといい「難しい題材にチャレンジする、監督、スタッフの皆様と共に丁寧に演じていきたいと思います」と意気込んだ。
新垣は広島のショッピングモールで、契約社員として働く桐生夏月役を演じ、特殊性癖を隠して生きるという難役に挑む。「考え続ける事、想像し続ける事をいつも以上に大切にしながら、制作に臨めたらと思っています」とし「撮影では、自分なりに、夏月達が生きる世界を必死に生きたいと思います」と決意を込めた。
現在は撮影のまっただ中で、10月中のクランクアップを予定している。朝井氏は「この物語の核が、いい映画を創るという意思以外の部分で歪められることのないよう、緊張感とともに祈っています」とコメントを寄せた。