ゴダール監督死去 映画評論家・秦早穂子さん「一つの時代が完全に終わりました」

 映画の刷新運動「ヌーベルバーグ」の中心的存在で、「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」などの作品で知られる仏映画監督のジャン=リュック・ゴダールさんが13日、死去したと同日、仏メディアが報じた。91歳。

 「ガーンという衝撃を受けました。それまでに見ていた映画とは完全に違った」。「勝手にしやがれ」を世界で最初に買い付けた映画評論家の秦早穂子さんは振り返る。

 1959年。日本の洋画配給会社の社員としてパリで働いていた秦さんは、同作のプロデューサーから、編集前のフィルムを見てくれないかと頼まれた。映し出されたのはジャン=ポール・ベルモンドがカメラに向かって直接語るシーン。「私はこれを待っていたんだ、と思いました」

 すぐに日本の本社に連絡し「これを買います」と伝えた。「息もたえだえ」だった原題の邦題は「勝手にしやがれ」に。「『これは若い人の叫びなんです』と押し通した」と述懐する。

 秦さんにとっても最初の買い付け作品だった「勝手に-」は日本でも大ヒット。「今思えば時代の変わり目だった。そこへ異色なものが横紙を破りにきたということ」

 その後、交流が生まれたゴダール監督は「偏屈だったけど、目はきれいな人だった」と言い「一つの時代が完全に終わりました」と、その死を悼んだ。

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