ＮＨＫ大河ドラマ「鎌倉殿の１３人」（総合。日曜、後８・００）の第３６回「武士の鑑」が１８日、放送され、俳優の中川大志（２４）が演じた畠山重忠が最期を迎えた。謀略の渦に巻き込まれ、主人公・北条義時（小栗旬）との殴り合いの末の衝撃的な退場劇。４度目の大河にして最も濃厚な役柄を完走した中川がデイリースポーツなどの取材に応じた。

　毎週のように退場者が現れることから、朝ドラのタイトルをもじって「死ぬどんどん」と呼ばれる、大河の死のらせんに畠山重忠も飲み込まれた。腕っ節の強さと優男ぶりでドラマをけん引してきた〝坂東武者のかがみ〟と呼ばれる戦上手。理不尽な言われで義時ら北条軍と対峙し合戦の末、命運が尽きた。

　合戦は３日間をかけ、義時との決闘シーンで撮影を終えた。真夏に甲冑（かっちゅう）を着てのアクション。「小栗さんも僕も体力的にボロボロの状態。歴代の大河でも、あそこまで着物と鎧が破壊されたシーンは今までなかったんじゃないかと思うくらいでした」

　決闘シーンは台本に「一騎打ち」としか記述がなく、馬を下りての殴り合いは小栗の提案だったという。

　「重忠と義時は１０代から幾つもの戦を乗り越えてきた旧知の仲。『最後は子供のケンカみたいに思いっきり、泥臭く戦えたらいいね。畠山重忠って男にここで思いっきりぶん殴られたいんだよね』と話をしてもらって。僕も、あの一発一発のこぶしに納得のいく信念を凝縮できたんじゃないかと思います」

　小学６年生で出演した「江～姫たちの戦国～」に始まり「平清盛」「真田丸」を経ての大河。撮影スタジオには「特別な空気感がある」と述懐し「怖いんですよね、あそこに立つのって。『負けずに戦い抜く』というのが自分のテーマだったので、そこで畠山重忠って人物がすごく自分を奮い立たせてくれた」と１年かけて体現した自身の役に感謝した。