ノンフィクション作家の佐野真一さん死去 75歳、肺がん
ノンフィクション作家の佐野真一(さの・しんいち)さんが26日午後3時36分、肺がんのため千葉県流山市の病院で死去した。75歳。東京都出身。葬儀は近親者で行う。
民俗学者の宮本常一、渋沢敬三の交流を描いた「旅する巨人」で1997年に大宅壮一ノンフィクション賞、2009年に「甘粕正彦 乱心の曠野(こうや)」で講談社ノンフィクション賞を受賞。主な著作に「カリスマ」、「東電OL殺人事件」、「あんぽん」などがある。
12年、取材班を組んで「週刊朝日」に橋下徹大阪市長(当時)の出自を巡る連載を執筆。橋下氏の抗議などを受け、版元の朝日新聞出版は謝罪して連載を中止し、社長が引責辞任、編集長も更迭された。佐野さん自身も「差別を助長させる記事だった」としていた。その後、他の著作の無断引用問題なども発覚した。