分断生んだ安倍氏国葬 反対派数千人〝DJデモ〟まで行われ騒然

 安倍晋三元首相の国葬が27日午後、東京・日本武道館で執り行われ、210を超える国と地域、国際機関の代表団ら国内外の約4200人が参列した。在任期間が憲政史上最長に及ぶ一方、数々の疑惑や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題が尾を引く。会場近くでは献花を待つ人が長蛇の列をなしたが、「国葬反対」のプラカードを掲げ反対集会を行う人たちも。分断の苦い余韻を残し、吉田茂元首相以来55年ぶりの追悼行事は幕を閉じた。

 日本武道館最寄り駅の九段下周辺は、一般献花の大行列に加え、国葬反対派が大挙。会場内の厳粛な空気とは一変、カオスな雰囲気が漂った。

 通行止めとなった道路には警察関係車両が並び、国内外のメディアが集結して、上空にはヘリが旋回。世論を二分した国葬とあって、賛否の思いが渦巻いた。

 献花台が設けられた九段坂公園付近は通行が規制されたため、靖国通りを挟んだ向かい側の歩道から、多くの通行人が献花台の安倍氏の遺影をスマホ撮影。国葬開始直前の午後1時57分から19発の弔砲が打ち上がると、ごう音を残そうと動画で撮影する人たちが多く見られた。

 靖国神社前の広場では、スマホやタブレットで生中継をチェックする喪服姿の人々も。会場内での黙とうに合わせて目を閉じて、弔意をささげた。

 一方で、正午頃から国葬反対のデモ行進が、献花台から300メートルほど離れた九段下交差点を通過。参加者は数千人規模にふくれあがって、大声でシュプレヒコールを飛ばした。警官隊が幾重にも重なってなって警備にあたる物々しさ。軽トラの荷台をDJブースに見立ててクラブミュージックを流し、「おまわりさんも、わっしょい、わっしょい!!」と叫ぶ〝DJデモ〟まで行われた。太鼓の音も響き、周囲の参加者は軽快なリズムに乗った。

 国葬開始後も「中止しろ」「弔意を強制するな」などと怒号はやまず。「コレが民主主義か!?」と岸田政権批判も飛び交った。デモが過熱する中で、国葬反対の反対スピーチをする団体も登場。「国葬防衛」のプラカードを掲げて「デモを迎撃します。静かに追悼したいので、本意ではありません」と訴えた。

 小競り合いも随所で発生し、〝狂騒レクイエム〟が武道館一帯を包み込んでいた。

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