円楽さん8・11涙の高座復帰「ここまで来ました」猫の皿披露
落語家の三遊亭円楽(さんゆうてい・えんらく、本名会泰通=あい・やすみち)さんが9月30日、肺がんのため72歳で死去した。
円楽さんは脳梗塞からリハビリ中の8月11日、東京・国立演芸場の8月中席で約7カ月ぶりに高座復帰した。登場し温かい拍手が送られると思わず涙。発症後、左腕にはまひが残り、高次脳機能障害のため短期記憶障害が起こっていることも明かした。動く右腕をめいっぱい動かして、時折口ごもる場面がありながらも約30分間、力強く話しきった。
円楽さんは「ここまで来ました。感極まって怪しくなるかもしれません」と涙をまじえつつも、「後の人生、ゆっくりゆっくりやっていく。“ノー高速”だからね」と軽快に笑わせ、落語「猫の皿」を披露した。
取材には関係者に車いすを押されながら現れ「何でもいいから落語に関わる仕事があれば手伝わせてほしい。誰かに車いすを押してもらって、あちらこちらに落語を聞きに行きたい」と前を向いた。落語界の今後についても力強く語り、同20日まで4公演を務めきったが、これが最後の高座となった。