伊集院光、円楽さんとの落語会「芝浜」を稽古 「ああ、やんなくていいんだ」の寂しさ
タレントの伊集院光が3日、TBSラジオ「JUNK伊集院光 深夜の馬鹿力」で、師匠の三遊亭円楽さんの訃報が届いた日のことを振り返った。
伊集院は「なんだかよくわかんない、正直に。悲しいよ?そりゃ悲しいよ。でもどうしていいか分からないし、ちょっと自分がどういう心の動き方をしてるか、あんまりよく分からなくて」「心のどっかに、どうネットニュースに載せられるんだろう、どう書き残されるんだろうっていう嫌な気持ちが強いかな」と正直な気持ちを語り「でもこればっかりはしょうがない」と振り返り始めた。
円楽師匠の訃報が流れた日、伊集院は草野球をやり、その後テレビの収録、それを終えたら深夜バスで旅行に行く予定にしていたという。
だがそんな伊集院のもとに「正式な文面は忘れたけど、ちょっと師匠がかなり状態がよくないんです、って」という連絡が入ったという。「今日明日という話ではないまでも、そう遠くない時期に悲しいことになるかもしれないから、覚悟はしておいてほしいという話が弟子に流れてきた」と語った。
伊集院はこの連絡を受けた時「え?ってなっちゃってて、その時の思考回路、訳分からないけど、旅行をやめたら(師匠が)死ぬ気がするって…」と考えてしまったという。
だがその後に訃報が届き「頭が真っ白」になり、葬儀に参列できるか連絡したところ、家族葬で、お別れの会には来て欲しいと連絡を受けたことから「そこで思ったのは(葬儀は)お邪魔しちゃだめなのかと。ビックリすることに、じゃあ旅行に行こうって(考えた)。東京にいたら訳わかんなくなっちゃうって」と現実逃避のように旅行に出かけようとしていたと振り返った。
だがネットニュースで三遊亭好楽が弔問に訪れたという記事を読み「家族でお通夜お葬式をやるなら、家族じゃない人はもう会えないと思っていた。とりあえず駆けつけるというのをここで気づくというか…」と弔問に行きたい連絡をいれ、そこで初めて「旅行に行ってる場合じゃない」となったという。
弔問以降の日々は「そこからはぼんやりしてるんだけど、俺自体は文章にすることできないし、ちゃんとしゃべれてるか分からない、どう書かれるのかおびえている」と前置きした上で、円楽さんと予定していた落語会に言及。二人会を行い、次もやろうという話になったとき、伊集院は円楽さんに「芝浜をやりたい」と訴えたという。働き者の魚売りが「ある日突然辞めちゃうのも分からないし、なんで突然(働きに)行こうとなるのかも(分からない)」としたが、自分自身が朝のラジオ番組を降板した体験などを合わせれば「芝浜に厚みが出る気がする」と円楽さんに話していた。
円楽さんからは「二人会でやった死神もそうだが、いっぱい入れすぎて説明はよくない、次はそれを抜くこと」とアドバイスを受けており、自分なりの「芝浜」を構築している最中だった。
そのため、今の気持ちは「やんなくていいんだと…この感じはなんとも言えない。ああそうか、やんなくていいんだって」「せっかく作ったのにというほど完成はしてないし、苦しいし、大変だし、重荷の話だし、それを含めてやんなくていいのか…という思いはある」とコメント。「本当によく分からない。何を言っても間違ったことを言うような気がする」と最後まで自分の気持ちを確かめるように言葉を選んでいた。