藤井聡太竜王、完敗「際どい勝負に持ち込めず」広瀬章人八段に終始防戦、決死の粘り及ばず
将棋の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖との五冠=20)が広瀬章人八段(35)の挑戦を受ける、第35回竜王戦七番勝負第1局2日目が8日、東京・渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で指され、広瀬八段が107手で勝利。竜王位初防衛を目指す藤井竜王は、タイトル戦では棋聖戦、王位戦に続く、3シリーズ連続の黒星発進となった。
タイトル戦では初顔合わせとなる2人。先手番の広瀬八段の誘導で角換わり腰掛け銀へ。1日目から広瀬八段の攻めが続き、2日目も藤井竜王は防戦を強いられた。中盤から既に大きく離されてしまい、終盤は決死の粘りを見せるも及ばず。藤井竜王は「勝負する順を見いだせなかった」と肩を落とした。
昨年とは違い、棋聖戦で永瀬拓矢王座(30)、王位戦で豊島将之九段(32)、竜王戦で広瀬八段と、違う顔合わせの番勝負が続いており、開幕黒星は3シリーズ連続。しかし、2日制対局での対応力の高さも光り、第1局が黒星でも、第2局以降は全て連勝で終えている。
大盤解説会場では「中盤で苦しくなってしまって、際どい勝負に持ち込めずに申し訳なく思っています」と、集まったファンに謝罪。10月21、22日に京都市の「総本山仁和寺」で指される第2局に向けて、「内容を良くして熱戦にできるように頑張りたい」と前を向いた。