宝塚 花組バウ「殉情」帆純まひろ“甘美にして芳烈”な世界を表現
宝塚歌劇花組スターの帆純まひろ主演の「殉情」が13日、兵庫・宝塚バウホールで初日の幕を開けた。
谷崎潤一郎の「春琴抄」をミュージカル化したもので、1995年に星組の絵麻緒ゆうにより初演された。今回バウ・ワークショップと銘打ち、13日~21日は帆純が佐助を、ヒロイン春琴を朝葉ことのが、10月30日~11月7日は佐助を一之瀬航希を、春琴を美羽愛が演じ、その他の配役も一部役替わりで上演される。
帆純は華やかな容姿ではありながら、抑えた芝居で、峻烈で傲慢な言葉を浴びても揺らぐことのない佐助の一途さを表現。その一方で、春琴を思うあまりに正気を失っていくほの暗さも出した。
春琴役の朝葉はこれが初ヒロイン。気が強く、佐助を三味線のバチで叩いて流血させたりと、宝塚のヒロインとしては異色。だがプライドの高さから佐助に辛く当たりながら、ふとした表情に、憎からず思うさまをにじませた。
谷崎作品らしく、主家の盲目のお嬢様の手を引く使用人という姿が耽美的。帆純と朝葉は「甘美にして芳烈なる芸術」を色濃く見せた。
また春琴の母・しげ役の美風舞良が硬軟自在のセリフで芝居を締めた。春琴にいいよる大店の放蕩息子・利太郎役の峰果とわも、笑いと、終盤の悲劇向かう怖さを出し、達者な芝居を見せた。
現代パートの部分は希波らいとと美里玲菜。大学生YouTuberの設定の2人は舞台映えする容姿で、客席を盛り上げた。
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