春風亭小朝「円生襲名の晴れ姿見たかった」苦楽を友にした同期・円楽さんしのぶ
落語家の春風亭小朝(67)が14日、都内で行われた東京・半蔵門の初代国立劇場さよなら公演「歌舞伎&落語 コラボ忠臣蔵」(11月2~25日)の会見に歌舞伎俳優の中村芝翫(57)と登場し、9月30日に肺がんのため死去した落語家・三遊亭円楽さん(享年72)をしのんだ。
前座時代から2人会を開催するなど苦楽を共にしてきた同期。2月には円楽さんの代役で日本テレビ系「笑点」に出演するなど、絆が深かっただけに喪失感も大きい。
円楽さんによる大名跡・三遊亭円生の七代目襲名がかなわなかったことに触れ、小朝は「夢がかなわなかったのが残念。その思いです。晴れ姿がかなわなかったのが残念ですし、悔しかったろうなと思います」と故人の無念を察した。訃報に接した際には「全身の力が抜けた」という。
歌舞伎と落語が史上初めてコラボする公演では、前半で落語「殿中でござる」「中村仲蔵」を口演する。後半で歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」を上演し、芝翫は29年ぶり2度目の早見勘平役を務める。
題目は赤穂浪士の討ち入りで知られる有名な古典だが、小朝は「心配しているところがございます。最近、だんだんと忠臣蔵が扱われなくなってきた。昔は忠義心に心を打たれたわけですが、ある時期からこれはテロじゃないか、と。容認するわけにいかないと扱わなくなってきた。忠臣蔵を知っておいてほしい」と憂慮。文化の継承を胸にステージへと上がる。