23年後期朝ドラ「ブギウギ」ヒロインに趣里 水谷豊&伊藤蘭にナイショで射止めた大役
NHKは17日、2023年後期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」のヒロイン・花田鈴子役を女優の趣里(32)が演じることを発表した。名曲「東京ブギウギ」などで知られる笠置シヅ子さんをモデルにしたオリジナル作品で、銭湯の看板娘から大スター歌手になったヒロインの波乱万丈を描く。趣里の両親は俳優・水谷豊(70)と女優・伊藤蘭(67)夫妻。大阪放送局で会見に登場し、両親には内緒にしていたことを明かしつつ、喜びを語った。
純白のロングワンピースで登壇した趣里は、ヒロインに選ばれた喜びを興奮気味に語った。4度目のオーディション挑戦。選考基準となった年齢の上限は32歳でギリギリだった。2471人の中からの指名に「最後のチャンスだと。まさかこんな日が来るとは。全てを懸けて臨みたい」と率直な思いを明かす。
水谷と伊藤を両親に持つサラブレッドは、4歳でクラシックバレエを始め、高校からイギリスに留学。だが、練習中のケガで右足首を剥離骨折し、アキレス腱断裂の重傷も負って断念した。失意の帰国後、09年に閉鎖された東京の小劇場「ベニサン・ピット」で、演出家で俳優の岩松了(70)が手掛ける舞台を見て、女優の道に進むことを決めた。
「感動して、家に帰る景色が輝いて見えました。表現をして楽しんでもらう夢を、諦めなくてもいいのかなと感じた瞬間でした」
16年に放送された「とと姉ちゃん」では、ヒロイン・小橋常子(高畑充希)が創刊した「あなたの暮らし」編集部の社員・大塚寿美子役で出演。今月7日、ヒロイン決定の連絡を受けたが「極秘」と強く念押しされたため「しっかり守りました」とナイショにしていたと苦笑いで告白。両親には「これから電話します。本当にいつも見守ってくれていたので、感謝と頑張りますの気持ちを真摯(しんし)に伝えたい」と話した。
過去、印象に残っている朝ドラ作品は「おしん」と即答。「見たのは再放送ですが、大号泣でした。生きるとは?を感じましたし、お芝居もすごくて」と憧れを明かし、同作のような後世に語り継がれる作品を理想にする。来春にクランクインの予定。「心がブギウギ、ズキズキ、ワクワクしていただけるような作品が届けられるように頑張っていきたいです」と意気込んだ。
◇趣里(しゅり)1990年9月21日、東京都出身。2011年にドラマ「3年B組金八先生」のスペシャルで女優デビュー。現在はドラマや映画、舞台など幅広く活躍。主演映画「生きてるだけで、愛。」で第33回高崎映画祭最優秀主演女優賞、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。両親は俳優の水谷豊、女優の伊藤蘭。