ロックバンド「横浜銀蝿」のリーダー、ドラマーで、７月４日に６７歳で死去した嵐ヨシユキさんのお別れ会が１８日、都内で開かれた。開式前にはメンバーの翔（６４）、Ｊｏｈｎｎｙ（６４）、ＴＡＫＵ（６２）が会見し、実弟の翔は「嵐さんをリーダーにして良かったと思う。兄貴としても素晴らしい人でした。『男の勲章』をあげたいと思います」と、生涯現役を貫いた嵐さんに言葉を贈った。

　翔は「まだまだ一緒にできると思っていた」「まだ吹っ切れていない」と心境を吐露しつつも、「ここでお別れをしなくちゃいけない」と、気持ちの切り替えに努めていた。

　嵐さんは４月１７日、自身のバースデーライブに出演し、その後に心臓の手術を受けた。「退院するなら、早く帰って…」と電話で翔に復帰を語っていたが、肺炎を起こし、翔、妻の美羽さんに見守られて死去した。

　祭壇には山のようにどっしり構えていた嵐さんをイメージした「嵐」一文字のオブジェが設置され、ドラムセット、私服のスカジャンやステージ衣装、コチョウランなど２２００本の白い花で飾られた。遺影は４０周年の際に撮影されたもの。会場には美羽さんが選んだ写真１７枚も並んだ。

　会見では翔が「（メンバーを）鵜（う）飼いの鵜のように引っ張ってステージをやっていた。とても心強いリーダーだった」とたたえた。ＴＡＫＵは、オリジナルメンバーで４０周年ライブができたことを、嵐さんが「夢のようだったよ」と喜んでいたことを明かした。

　４０周年を終えて再び裏方に回ったＪｏｈｎｎｙは、４月のライブで嵐さんに「また一緒にやろうよ」と誘われ、４５周年か５０周年でとかわすと「俺はそこまで生きてないからな」と言われたといい「今思うと来ますね…」と沈痛な表情だった。

　約１０００人が出席したお別れ会では、３人と美羽さんがあいさつ。美羽さんは涙で何度も声を詰まらせながら「なんでそこにいないんだろう」「ハチャメチャなところもあったけど、本当に力強い人でした」と亡き夫への思いを語り、出席者の涙を誘った。ＴＡＫＵは「嵐ヨシユキは永遠のリーダーですから、遺志を引き継いでまい進していきたい」と誓っていた。