神戸児童殺傷事件「少年A」事件全記録廃棄 神戸家裁「記録保存の運用は適切ではなかった」
神戸市須磨区で1997年、小学生5人が襲われ2人が殺害された連続児童殺傷事件で、当時14歳で逮捕された「少年A」の少年審判の処分決定書や捜査書類など全事件記録を神戸家裁が廃棄していたことが20日、家裁への取材で分かった。
最高裁の内規では、一般的な少年事件の捜査書類や審判記録は少年が26歳になるまでの保存を規定している。だが史料的価値の高い記録は期間満了後も保存しなければならず、26歳以降も事実上永久保存する「特別保存」を定めている。
廃棄について神戸家裁は「現在の特別保存の運用からすると、当時の記録保存の運用は適切ではなかった」としている。廃棄により、非公開だった審判の過程の検証は不可能になったといえる。