海老蔵の名に別れ「精いっぱい時代を生きた」 長男・勸玄くんは襲名に「心配はあります」
十三代目市川團十郎白猿襲名する歌舞伎俳優の市川海老蔵(44)と八代目市川新之助として初舞台を踏む堀越勸玄くん(9)が22日、成田屋ゆかりの千葉・成田山新勝寺で「襲名奉告参拝」のお練りと奉納歌舞伎を、長女の市川ぼたん(11)と行った。
ついに海老蔵の名で最後の仕事を迎えた。「團十郎号」で成田入りし、新型コロナウイルス感染症対策として、團十郎襲名時では初となる人力車でのお練りを敢行。約700メートルの道のりに約1万人の見物客が詰めかけた。海老蔵は「温かい歓迎を受けて、こちらがほっこりして幸せでした」と感謝。お練りは2度目の勸玄くんは「最初はドキドキしていたけれど、どんどん楽しくなってワクワクしました」と声を弾ませた。
囲み取材では、立て続けに訪れた苦しみを「父(十二代目團十郎)とも別れて、妻(小林麻央さん)とも結婚の報告に来ましたけれども旅立ってしまった。さまざまな経験をした」と述懐。「海老蔵襲名公演で(坂東)三津五郎のお兄さんが『エビという生き物は、何回も何回も脱皮をして大きくなっていくもの』と口上でしゃべられた。大きくなれたかどうか自分ではわからないけれど、精いっぱいその時代を生きたのではないかな」と18年間の海老蔵生活を振り返った。
勸玄くんは襲名について「心配はあります。(心の準備は)まだできていません」と素直に話し、報道陣を笑わせた。
夜は「口上」と、親子3人で共演する新歌舞伎十八番の舞踊「雪月花三景 仲国」を披露。「-仲国」は歌舞伎座7月公演で上演されたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となっていたため“リベンジ上演”を果たした。口上では「海老蔵として最後になりますことが、大変…寂しいこと」と言葉を詰まらせ、「海老蔵という名前に親しみと愛着がございますので、最後の舞台になることは非常に重たいことを感じています」とあいさつ。海老蔵の名に別れを告げた。