松本白鸚 文化勲章「役者は一生終わらない」父に続いて受章 幸四郎ら家族も大喜び

 政府は25日、2022年度の文化勲章を、歌舞伎の松本白鸚(80)、日本画の上村淳之(89)、箏曲の山勢松韻(89)、電子工学の榊裕之(78)、発酵学の別府輝彦(88)、中国思想史・中国史の吉川忠夫(85)の6氏に贈ることを決めた。文化功労者には、大衆音楽の松任谷由実(68)、将棋の加藤一二三(82)の2氏ら20人を選んだ。文化勲章の親授式は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は同4日に東京都内のホテルで開かれる。

 「役者は一生修業。終わりはないと思っていた」。歌舞伎にミュージカルにと道を切り開いてきた大ベテランは、父の故・初代白鸚に続いての受章となった文化勲章の知らせに驚きながらも、うれしい栄誉と受け止めた。

 家族にも報告済みで「(長男の松本)幸四郎は『それはめでたい。こうでなくちゃいけない』と。(次女の)松たか子は『それはそれはめでたい』これだけでした。一番男らしかった」と頬を緩めた。

 歌舞伎の名門、高麗屋に生まれ、歌舞伎の「勧進帳」弁慶役は1100回以上つとめた。ミュージカル、ドラマなど梨園以外にも活躍の場を広げた。米ブロードウェー公演も成功させた「ラ・マンチャの男」で、夢を持ってあるべき姿のために戦う主人公を1314回演じた。「断ることが嫌い。全部やっちゃったんです」。そこから新しいものが生まれてくると信じてきた。

 思い出深い舞台には、1967年上演のミュージカル「心を繋ぐ6ペンス」を挙げた。上演中に左足ヒラメ筋を断裂しても自転車のチューブを巻いて舞台に立ち続けた役者魂を明かした。

 育ってきた後輩たちに将来の歌舞伎を託すつもりだ。それでも「お客さまに喜んでもらえるお芝居を死ぬまで続けていきたい」。舞台は一日一日が勝負。夢を売る仕事は終わらない。

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