小雪、1週間で指点字マスター 発案者でもある母親役で猛特訓
女優・小雪が28日、NHK「あさイチ」に出演し、12年ぶりの主演映画「桜色の風が咲く」(11月4日公開)についての思いを語った。
世界で初めて盲ろう者として大学教授になった、東京大学の福島智氏をモデルにした親子の物語。小雪は智の母・令子を演じた。現場では息子・智役を演じた俳優・田中偉登(たけと)の1人暮らしを心配したり、子役を肩車するなど、本当に母親のようだったという。
劇中では目が見えず、耳も聞こえなくなった息子と指点字で会話する場面がある。左右3本ずつの指で言葉を伝える方法。田中は習得のために2カ月ほどの時間があったが、小雪は1、2週間ほど。撮影中も繰り返し練習していたという。指を押す位置や強さで内容が変わることもあるだけに、田中は「ぼくも小雪さんも苦戦していた」と語った。
当初はスケジュール的に厳しく、断る意向だったが、福島氏を知って「ちゃんと世に届けたい」と出演を決意。「やるって決まって『1週間しかない』ってなって。覚えたと思っても、対面する(正面から向き合う)場合と横と、違うんですよね」と苦笑いで説明した。受け取り手(この場合は田中)の感じ方や、歩きながらで振動のある場合もあり、かなりの難易度だったという。
雰囲気だけでごまかすこともできたが、指点字の発案者が、自身が演じた福島氏の母だったということもあり「キーになるところだったので、やっていかないと」とマスターしたと明かした。指点字については、リアルタイムで状況などを伝えることができるメリットもあり「いろんな状況とか、例えば映画とか舞台とかの鑑賞とかも楽しめるし、流れとしての会話もつかんで行けて、どんどん参加できるようになるんですよね。だから、これからも広まっていってほしいものではあるんです」と思い入れを語った。