三遊亭好楽「ゆっくり逝くからな」突然の別れから1カ月 円楽さん偲ぶ会 悲しみの兄弟子

 9月30日に肺がんのため72歳で死去した落語家・三遊亭円楽さんを偲ぶ会が28日、東京・国立演芸場で行われた。同門の三遊亭好楽(76)、三遊亭鳳楽(75)、三遊亭円橘(76)らが笑顔で思い出話に花を咲かせた。日本テレビ系「笑点」(日曜、後5・30)で長年共演し、兄弟子でもある好楽は、最後の対面で「後からゆっくり逝くからな」と声を掛けたと明かした。来年2月には円楽さんにまつわるイベントを開催予定だと発表された。

 突然の別れから約1カ月。円楽さんの思い出を語る好楽が、消えていない悲しみをのぞかせた。「今まで戦ってきた、一緒に遊んだ、飲んだ、ゴルフをやった。そういう仲間がいなくなった」。観客第一の円楽さんの思いを尊重し、明るく振る舞ったが、時折表情にさみしさがにじんだ。

 30日まで同所で行われる公演「五代目円楽一門会~秋の一門祭り~」の真っ最中で、この日は当初は「六代目を囲む会」の予定だった。だが、悲報を受け「-偲ぶ会」に変更。会場には円楽さんゆかりの品が展示。献花台も設置され、多くのファンが記帳した。円楽さんは8月に本企画を知り、「ぜひ出たい。それまで頑張る」と出演へ強い思いを抱いていたという。

 高座では死去当日に自宅へ弔問に訪れた際のことも述懐。「頭にきたから、『バカヤロー!俺より先に逝くんじゃねえ!』って言った。顔を見たら眠っているようなんです。本当にいつも一緒に遊んでた円楽の顔」とし「疲れていたんだな。2年半の闘病生活がなくなって、ほっとしたんだな」。気持ちの整理をつけ、別れ際には「『後からゆっくり逝くからな』って、言ってきた」と明かした。

 この日は、円楽さんが最後に上がった高座に自ら上がり、トリを務めた。「円楽から『相変わらず下手だね』と言われている気がしました」と話し「まだぴんとこない。これから彼のすごさがわかって、感謝すると思います」と遠くを見やった。誰もが在りし日の円楽さんに思いをはせ、一門の絆の深さを示した。

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