将棋の第３５期竜王戦七番勝負第３局２日目が２９日、静岡県富士宮市「割烹旅館　たちばな」で指され、藤井聡太竜王（２０＝王位、叡王、王将、棋聖との五冠）が広瀬章人八段（３５）に１１２手で勝利。２連勝でシリーズ成績を２勝１敗とし、竜王防衛へ前進した。

　２日目の午前中まで苦しい時間が続いた。戦型は相掛かりとなり、１日目から広瀬八段にペースを握られた。２日目昼食休憩後、広瀬八段の緩手を見逃さず、果敢に飛車切り。攻めをつなげて逆転し、そのまま押し勝った。「駒組みの段階で形勢を損ねて、苦しい時間が長い将棋だった。無理気味ながら攻めていって、最後際どくつながった感じ」と胸をなで下ろした。

　逆転勝利にも藤井竜王は渋い顔。「（今までの）３局全て初日で苦しくしてしまっているのが大きな課題。少しでもよくできるように頑張りたいと思います」。一方で、初めて訪れた富士宮市には「対局室から富士山をすごく大きく見ることができた」と満足そうに話した。

　第４局は京都府福知山市の「福知山城天守閣」で指される。