元阪神・嶋尾康史 俳優として勝ちたい 次期朝ドラ「らんまん」出演!思い出の高知が舞台
プロ野球・阪神の元投手で俳優の嶋尾康史(54)が次期NHK連続テレビ小説「らんまん」(月~土曜、前8・00)に出演することが29日、分かった。高知出身の植物学者・牧野富太郎をモデルにした主人公・槙野万太郎(神木隆之介=29)の波乱万丈の人生を描いた物語。嶋尾は万太郎の実家の酒蔵で杜氏を務める「寅松(とらまつ)」役を演じる。撮影に入っている嶋尾が、意気込みや思いを語った。
朝ドラは98年後期の「やんちゃくれ」以来2作目。今回はレギュラーとあって「国民的番組ですので、うれしいのと同じくらい責任を持ってやらないといけないなと身の引き締まる思い」と話す。
役名には「(制作統括は)全く関係ないっておっしゃるんですけど。タイガースファンで僕のこと知ってくださってる方は、わざと付けたんじゃないかと思いますよね」と笑顔。「スタッフさんの中にも、こっそり阪神ファンですっておっしゃってくださる方もいらっしゃって。あちらこちらに虎の目が光っています」と、虎党の期待も背負って挑む。
寅松は万太郎に影響を与える人物の一人。江戸時代に生きる職人肌の男で、嶋尾の屈強な風体は武骨さを表すのにぴったりだ。「杜氏は職人たちを見守るのが仕事だというので、偉そうに見ています。偉そうな感じは放っておいても出てるって言われます」と笑う。
いずれ神木とも絡みがあるというが、現在は幼少期の万太郎とのシーンを撮影中。「子役さんね、本当にうまい。野球って子供と大人って明らかに実力違うじゃないですか。でも役者は子供でも持ってかれそう。直前まで一緒に遊んでて泣いたりしてるのに、いざ芝居になると圧倒されます」と舌を巻く。
高知には縁が深い。阪神の春秋キャンプが行われた安芸市は忘れがたい土地で「しんどい思い出しかない。毎日ヘロヘロになって、1日終わるたびにカレンダーに×を付けて『あと○日』って」と振り返る。「安芸ではオープン戦や紅白戦でも投げましたけど打たれてました。結果を残した思い出はないけど、今回、俳優として勝ちたい」ときっぱり。「放送が始まったらぜひ地元のイベントに呼んでいただきたい」と“凱旋”を熱望した。
俳優デビューから24年。プロ野球より役者人生の方がはるかに長くなった嶋尾は「朝ドラが自分にとってのターニングポイントになればと思います」と、決意をにじませた。
◆嶋尾康史(しまお・やすひと)1968年5月6日生まれ、兵庫県姫路市出身。86年、東洋大姫路高3年夏に甲子園出場。長谷川滋利とのWエースで8強。同年、ドラフト2位で阪神入団。88年、広島戦で初勝利。92年、自己最多の25試合に登板。右肘の故障もあり96年限りで引退。98年、ドラマ「魚心あれば嫁心」で俳優デビュー。2014年、大河ドラマ「軍師官兵衛」に出演。プロ通算3勝7敗1セーブ。身長189センチ、体重87キロ。