藤井聡太竜王が初防衛王手 圧巻差し回し&深い研究でスピード完勝
将棋の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖との五冠=20)が広瀬章人八段(35)の挑戦を受ける第35回竜王戦七番勝負第4局2日目が9日、京都・福知山城天守閣で指され、藤井竜王が95手で勝利した。シリーズ成績を3勝1敗とし、初防衛に王手をかけた。
圧巻の指し回しだった。角換わり腰掛け銀となった本局はほぼ互角のまま2日目を迎えた。広瀬八段が攻めに入り難解な中盤戦となったが、藤井竜王が的確に対処し大きくリードを拡大。午後3時21分という早い終戦となった。
藤井竜王は「常に方針の難しい将棋なのかなと思っていました」「一手一手長考しながら、なんとか考えて指すことができたと思っています」と回顧。的確な対処に深い研究が見えたが、どこまでが研究範囲か問われると「公式戦で(最近)指されてない形だったので、前例を思い出しながらという感じで指していました」と濁した。
第5局は25、26日に福岡県福津市「宮地獄神社貴賓室」で行われる。「2週間近くあるので、状態を整えて頑張りたいと思います」と前を向いた。
カド番の広瀬八段は「途中から一方的な将棋になってしまって見どころがあまりなくて申し訳なく思っています」「もう後がない状態になりましたけど、なんとかシリーズが続くように頑張りたいと思います」と声を絞り出した。