「ファスト映画」で損害賠償5億円 著作権侵害認める 広告収入を大きく上回る額

 映画を10分ほどに短くまとめた「ファスト映画」を動画投稿サイトに無断公開した20代の男女2人に対し、東宝や松竹、東映など映像大手13社が損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は17日、著作権侵害を認め、請求通り計5億円の賠償を命じた。ファスト映画による損害額に関する司法判断は初めて。2人が動画公開で得た700万円程度の広告収入を大きく上回る額を損害と認定した。

 杉浦正樹裁判長は損害額の算定方法について、13社側の主張をほぼ採用。悪質な著作権侵害行為に対しては高額なペナルティーが科される可能性を示す判断となった。

 「『やり得』は許さないという強い意志の表れだ」。都内で記者会見した原告の映像大手側代理人らは判決を高く評価した。視聴する側にも「軽い気持ちで見ないという意識を、一人一人醸成することが大事だ」と警鐘を鳴らした。原告側代理人の中島博之弁護士は「今後の著作権侵害事案に大いなる抑止力になる」と話した。

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