【山田美保子のミホコは見ていた!】お笑い界の視聴率100%!?『最初はパー』にグッドラック
SixTONESのジェシーによる地上波連ドラ単独初主演作「金曜ナイトドラマ『最初はパー』」(テレビ朝日系)を「見ている」という声を、お笑い芸人や放送作家、バラエティ番組のディレクターらから本当によく聞く。
企画・原作・脚本は秋元康氏。2000年代以降は、AKB48グループや坂道シリーズのプロデューサーとしての印象が強かったが、近年は、ほぼ毎クール、連ドラに関わっている。
実は氏とジェシーは、2012年、現在のSixTONESがファンの皆さんから「バカレアJr.」と呼ばれていた「私立バカレア高校」(日本テレビ系)からの縁。昨年、ジェシーが単独初主演を果たした舞台「スタンディングオベーション」も秋元氏の企画・原作だ。もともとバラエティ番組の放送作家であり、とんねるずのブレーンやプロデューサーとしても知られた氏は、笑いをわかっているジェシーに目をつけ、「最初はパー」を企画したのだ。
舞台は、お笑い養成所。年齢も前職も現職もバラバラな芸人の卵たちが小藪千豊演じる講師のもと夢に向かって切磋琢磨している。「運で売れる人もいれば、努力しても売れない人もいる」とは小藪の台詞。これは芸人や作家、演出家らの心にも響いたことだろう。本当にその通りであり、だからこそ夢を諦めないでいる者たちにどんな助言をし、どう導くのか、先輩たちの悩みもまた尽きないのだ。
今回、ジェシーは政治家の息子。当然、父親は芸人になることを大反対していて、これも“芸人あるある”だ。こうした背景を熟知した秋元氏や総合監修の佐久間宣行氏、さらに、お笑い指導に「パンクブーブー」の佐藤哲夫が集結しているからこそのリアルがある。
“相方”市川猿之助の瞬発力と「ほぼアドリブ」を尊敬しつつ、負けじとツッコみ、ボケるジェシーは、やっぱり笑いが大好きと見た。
エンディング、キャストと共にジェシーがSixTONES史上もっとも明るい楽曲「Good Luck!」を歌い、踊るシーンは毎回、泣ける。
キャスト全員を応援したくなる人間味に溢れた秋元康氏の最高傑作。“まだの人”はTELASA(テラサ)で追いついてほしい。