羽生善治九段 100期かけて藤井聡太王将へ挑戦決定 挑決L6戦全勝
将棋の羽生善治九段(52)が22日、東京・将棋会館で指された第72期王将戦挑戦者決定リーグで、豊島将之九段(32)に117手で勝利。リーグを6戦全勝し、藤井聡太王将(20=竜王、王位、叡王、棋聖との五冠)への挑戦権を獲得した。前人未到の100期をかけた2年ぶりのタイトル戦。将棋界の顔同士のタイトル戦が初めて実現する。
戦型は角換わり。昼食休憩後に豊島九段に誤算があったのか、大きくリードを拡大。そのまま着実に優勢を築いて詰めろに追い込んだ。2020年の第33期竜王戦で挑戦するも1勝のみで敗退、直近10局で9敗と苦手とする相手から大一番で白星をつかんだ。「悪くはないと思っていたけど、わからないままずっと指していました」と振り返った。
渡辺明名人や永瀬拓矢王座ら強敵に全勝する驚異的な強さを見せつけ、「大変なリーグ戦の中で結果が出せて非常にうれしいですね。全勝は想定はしてなかったけど、いい形で終えることができて良かったなと思います」とホッとした表情。
藤井王将の強さについては「対戦してみないと分からないことも多々あると思うので、シリーズが始まっていく中で体感していくのかなと思います。まず自分自身の棋力を充実させて臨むと言うことに尽きると思います」と話した。
昨年のスランプを乗り越えての挑戦権に「ずっとチャンスらしいチャンスもなかったので、今回生かせて良かった」とうなずいた。100期の大台は「もちろん結果としてそうなればいいけど、全然それに近づいているわけではない」と現状を厳しく評価した。