【山田美保子のミホコは見ていた!】仲本工事さんが見守った舞台「貧乏神と福の神」

 フリーアナウンサー、生島ヒロシ氏から誘われ、27日、「『日本昔ばなし』貧乏神と福の神~つるの恩返し~」(東京芸術劇場シアターウエスト)の大千穐楽を観る機会に恵まれた。

 本格的な舞台出演は初めてだった生島氏だが、片岡鶴太郎や星田英利らと日替わりとなった「貧乏神」を見事に演じきった。これがザ・ドリフターズの仲本工事さん(享年81)の代役であることを御存知の方も多いだろう。「私自身、ドリフのメンバーがだんだんいなくなって仕事も少なくなった。お店もうまくいかなくなって、だんだん貧乏になっています。だから素のままで演じたい」と、先月11日の制作発表会見で笑っていた仲本さん。舞台出演をとても楽しみにされていたことがうかがえる。だが、その8日後、交通事故で天に召された。さぞ無念だったに違いない。

 もともと笑いあり、涙ありの物語。仲本さんの急逝は、座長の小出恵介をはじめ、キャストやスタッフにとって、どれほどの衝撃だったか。その後、続出した仲本さんにまつわるさまざまな報道にも心を痛めたことだろう。

 果たして、急遽招集されたのが生島氏と片岡と星田。2日に行われた代役会見で、主演の小出恵介は、「(仲本さんの)肩をもませていただいたときの感触を今も憶えています」とコメント。優しくて温かだった仲本さんの人柄を偲びながら、熱演を誓っていたものだ。

 その小出や原日出子、日替わりで「お笑い福の神」を演じた「ダチョウ倶楽部」の肥後克広ら、新たな気持ちで前を向くキャストの熱演が目立った同舞台。だからだろうか、稽古中や本番で、全員が仲本工事さんを“感じる”瞬間が多々あったと聞いた。

 大千穐楽のカーテンコールでは、満席の会場から大拍手が起こり、涙ぐむ観客もいた。私もその一人である。題材は「日本昔ばなし」だが、大人に観てほしいと心から思った。「貧乏神」ならぬ「舞台の神様」仲本工事さんが見守り続けた同舞台は、12月1日~8日までオンデマンド配信されることも発表された。詳細は公式サイトへ。

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