「鎌倉殿」慈円僧正、早口家系図が詐欺?北条コロリ 曲者の兄兼実(田中直樹)の曽孫ゴリ押し 後に反乱分子

 鎌倉御所・寝殿にて。実朝の後継者である三寅(中村龍太郎)に「着袴の儀」で袴を着させ、自分が鎌倉の最高指導者であることを見せつける義時=NHK「鎌倉殿の13人」第47回から
 義時の館にて。あることで義時に憤るのえ(菊地凛子)、悲しむ二階堂行政(野仲イサオ)、戸惑う義時とのえの息子・政村(新原泰佑)=NHK「鎌倉殿の13人」第47回から
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 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は4日、第46回「将軍になった女」が放送された。次期鎌倉殿を巡って朝廷と鎌倉の腹の探り合いが続いた末に、2歳の三寅(後の4代将軍藤原頼経)が鎌倉に下向した。

 先だって後鳥羽上皇(尾上松也)側近の慈円僧正(山寺宏一)が極秘で鎌倉に来て、北条政子(小池栄子)と北条義時(小栗旬)姉弟と面会。三寅の家柄と家系図を超早口で仰々しく暗唱した。

 「源頼朝卿の妹君が一条能保卿に嫁がれその長女は月輪関白兼実公の子後京極摂政良経公に、そのまた次女は大宮大納言公経卿に嫁ぎ、その姫君が後京極摂政の子である道家公に嫁がれ、そのあいだに生まれたのが三寅様にござる」とまくしたてドヤ顔。

 政子、義時とも固まってしまい、義時が「申し訳ない。もう一度」と頼むと、また見事な高速暗唱がはじまった。要は、源頼朝(大泉洋)の妹、その娘、孫娘も格式高い家に嫁ぎ、孫娘の子が三寅であり「頼朝妹の曽孫」で片付く話だが…。

 ありがたそうな話に、複雑な関係は「遠い親戚」で済ましてしまう政子が「頼朝様の遠縁とあれば、まさに鎌倉殿にふさわしい」と笑顔になり、すでにパンクしている義時も「まことに良いお話かと」と応じ、慈円僧正は「後ほど紙に書いてお渡しいたす」。まるで現代の詐欺被害でありそうなシーンとなった。

 一応、慈円僧正も「我が九条」とは伝えているが、話題にならなかった三寅の父方直系の曽祖父は、慈円僧正の実兄で、曲者の九条兼実(田中直樹)。権力の座から離れてからは、弟慈円に権力掌握を託している。

 母方家系にも名前が高速登場しているが、おそらく政子、義時の耳には入っていない。

 一方で、源頼朝の血筋であることはどうでも良い京側から見れば、慈円僧正の混乱に乗じた一族の強引な売り込みで、藤原兼子(シルビア・グラブ)らが「三寅さまは僧正のお身内」と怒っている。

 ネット上でも、手口が「詐欺」と面白がる見方も。

 三寅は、義時が期待する「こちらの意のままになる」次期将軍として、幼少期は北条支配下でのお飾り将軍となったが、成長後は…。九条家の鎌倉介入など、混乱の原因となったとも伝わる。

 【第47回「ある朝敵、ある演説」】

 幕府の後継者争いが発端となり、乱れる京。朝廷の象徴である内裏が焼け落ちると、後鳥羽上皇(尾上松也)は再建費用を日本中の武士から取り立てることを決める。しかし、北条義時(小栗旬)は政子(小池栄子)と大江広元(栗原英雄)の支持を得て、要求を先送りにすることを決断。泰時(坂口健太郎)をはじめ御家人たちが後鳥羽上皇との関係悪化を心配する中、三浦義村(山本耕史)は京で大番役を務める弟・胤義(岸田タツヤ)に…。

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