佐藤蛾次郎さん死去 スターに愛された“人たらし”の才 デイリースポーツでコラム連載

 国民的人気を誇った映画シリーズ「男はつらいよ」の源公役などで知られる、俳優の佐藤蛾次郎(さとう・がじろう、本名忠和=ただかず)さんが10日までに、虚血性心不全のため都内の自宅で死去していたことが12日、分かった。78歳。大阪府出身。葬儀は近親者で行った。喪主は長男で俳優の佐藤亮太(49)。後日、お別れの会を予定している。シリーズを支えた名脇役の訃報に、寅さんファミリーから悲しみの声が相次いだ。

  ◇  ◇

 佐藤蛾次郎さんは2013年1月から3月までデイリースポーツでコラム「銀座GSブルース」を連載した。

 その取材で元女優の妻・和子さん、長男で俳優の亮太さんと切り盛りしていた東京・銀座のパブ「蛾次ママ」に通い、カラオケや水割りを作る合間にガジさんの話を聞いた。

 映画「男はつらいよ」シリーズで公私ともに兄貴分だった渥美清さん、家族ぐるみで付き合った松田優作さんや原田芳雄さんをはじめ、嵐寛寿郎さん、石原裕次郎さん、渡哲也さん、吉永小百合といったビッグネームとの裏話から、店を訪ねてきたジョン・レノンのエピソードまでネタには事欠かなかった。

 「俺が出したレコードな、沢田にあげて、今ないわ」「どこの沢田さんですか?」「ジュリーや」…そんな会話にワクワクした。

 山田洋次監督との出会いは映画「吹けば飛ぶよな男だが」。ミナミで夜通し遊んだ佐藤さんは2時間遅刻した上にくわえタバコで面接。その姿に山田監督は魅了され「男はつらいよ」シリーズへとつながる出世作となる。

 生涯を通じ、ワンポイントリリーフ的な脇役が多かったが、私生活では主役を張るスターにかわいがられ、慕われるという、芸能界でのポジションが逆転する“人たらし”の才があったと感じる。

 20年の大みそかに「蛾次ママ」は閉店。昨年7月、記者に「彼女と過ごす時間をおう歌している」と健在ぶりを示してくれたが、それが最後となった。6年前に亡くなった愛妻やスターたちに「まだ早い!」とツッコまれているに違いない。

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