桂二葉が繁昌亭大賞 入門12年目は史上最速 仁智会長も「声に表情がある」と絶賛

 入門25年以下の上方落語家を対象にした「第17回繁昌亭大賞」が16日、大阪市内で発表され、桂二葉(36)が大賞に輝いた。入門から12年目での大賞は史上最速で、女性初の受賞となった。また、奨励賞には笑福亭鉄瓶(44)、今年から新設された入門15年以下を対象にした新人賞には、桂三実(29)が選ばれた。

 昨年「NHK新人落語大賞」で女性初の大賞を受賞した二葉。今年1月から大阪・天満天神繁昌亭で行われた記念ウイークでは、7日間で約1000人を動員するなど、上方落語界をけん引する存在に成長。落語家としての確かな力量と繁昌亭への貢献度が高く評価された。

 二葉は「私でいいのかなという感じ」と恐縮しつつ、「本当に繁昌亭に育てていただいた」と感謝した。活躍の幅を東京にも広げ、メディアに取り上げられることも増えたが「どうしても“女性初”とよく言われるんですけど『もうええやろ』という気持ちもある」と吐露。「あんまり言い過ぎると『女性に落語は難しい』と言っているのと同じになってしまう」と話し、「落語がうまくなりたい。これからも精いっぱいやっていきます」と“落語家”としての飛躍を誓った。

 上方落語協会の笑福亭仁智会長(70)は二葉について「声に表情があるので、物語に入り込ませることができる。『落語は男性しかできない』という古い考えを意識させない」と絶賛。「(コロナ禍で)上方落語界は3年ほど守勢だった。来年からは二葉さんをはじめ、中堅や若手のエネルギーで攻勢に転じられたら」と期待を寄せた。

 ノンフィクション落語など、新境地の開拓が評価された奨励賞の鉄瓶は「これを機会に、上方落語を大阪以外に広める役割を担っていきたい」と語り、新作落語が評価された新人賞の三実は、師匠・桂文枝(79)から「『新しいものを作り続けるように』と常日頃から言われているので、取り組んでいけたら」と話した。

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