「壽 初春大歌舞伎」華々しく開幕 市川猿之助と中村七之助が卯年の幕開け祝い舞う
東京・歌舞伎座で2日、「壽 初春大歌舞伎」(27日まで)が開幕した。歌舞伎座新開場十周年を迎える2023年の幕開けにふさわしい、華やかで多彩な演目で魅了した。
第一部の「卯春歌舞伎草紙」は、今日まで続く歌舞伎の源流とも言われる「かぶき踊り」を創始した人物・出雲の阿国(中村七之助=39)と、美貌の伊達男・名古屋山三(市川猿之助=47)の二人が恋仲であったという逸話をもとにした、卯年の幕開けにふさわしい祝儀気分にあふれた一幕。2人が登場し、歌舞伎の栄えを願いながら華やかに舞うと、客席は明るくめでたい雰囲気に包まれた。
今年没後130年を迎える名作者・河竹黙阿弥による白浪物の人気作「弁天娘女男白浪」では、片岡愛之助(50)が歌舞伎座で弁天小僧菊之助に初挑戦。「初心に返って勤めたい」と語った。有名な「知らざあ言ってきかせやしょう」から始まる七五調の名台詞を、テンポよく披露し、芝居を盛り上げた。
「稲瀬川勢揃い」の場面では、そろいの小袖を着た五人男として、愛之助、中村勘九郎(41)、猿之助、七之助ら「新春浅草歌舞伎」で切磋琢磨(せっさたくま)してきた同世代が花道にズラリ。「あの頃の時間が戻ってきたよう」(愛之助)、「共に修業した仲間。感慨深い」(猿之助)と喜びを口にしていた。