紅白視聴率 再浮上の気配1ポイント増 杉山実施本部長「今年も、夢や希望をシェア」
昨年大みそかに生放送されたNHK総合「第73回NHK紅白歌合戦」の平均世帯視聴率が35・3%(第2部)だったことが2日、分かった。歴代最低だった前年の34・3%から1ポイント増し、下落に歯止めをかけた。裏番組では、テレビ朝日系「ザワつく!大晦日 一茂良純ちさ子の会」(第1部)が2年連続民放トップだった。(数字はビデオリサーチ日報調べ。関東地区)
フィナーレを含む第2部(後9・00~11・45)の35・3%は2部制となった89年以降、2番目に低い。それでも、娯楽や視聴方法が多様化する中で数字は底を打ち、浮上の気配を感じさせた。
コロナ禍や施設改修などの影響で、“本拠地”NHKホールでの有観客開催は3年ぶり。三山ひろし(42)がけん玉のギネス記録に挑む恒例企画でチームの一部が客席通路に並んだり、関ジャニ∞の「T.W.L」では観客がおそろいのタオルを振り回したりするなど、会場が一体化したライブ感や祝祭感をカメラの向こう側に届けてきた。
午後7時20分からの第1部はLE SSERAFIM、IVEなどのK-POPグループや、緑黄色社会、なにわ男子、Saucy Dog、JO1、BE:FIRST、Aimerなど若年層に人気の初出場組が多く出演。事前には“分からない歌手ばかり”などと戸惑うネットの声もあったが、31・2%と前年比0・3ポイント減に踏みとどまった。
第2部は最後のライブパフォーマンスとなった加山雄三(85)、活動休止前ラストとなった氷川きよし(45)、卒業前ラストとなった齋藤飛鳥(乃木坂46)と小田井涼平(純烈)、5人体制最後の紅白となったKing&Princeなどメモリアルステージが多く、上積みに貢献したとみられる。
また、紅白初司会の橋本環奈(23)は緊張のかけらも見せない堂々たる進行を見せ、ネット世論は絶賛。テーマ「みんなでシェア」の実現に一役買った。
実施本部長の杉山賢治氏は「すべてのパフォーマンスが『ブラボー!』で、まさに『歌の祭り』、最高のライブエンターテインメントをお届けできたと思っております」と総括。「今年の大みそかも、夢や希望をシェアできる紅白を制作したい」と、手応えをにじませていた。