ゴッホの「ひまわり」返して 過去所有者がSOMPO提訴

 SOMPO美術館(東京)が所蔵するゴッホの傑作「ひまわり」を巡り、過去に所有していたドイツ系ユダヤ人銀行家の相続人や子孫が、SOMPOホールディングスなどに絵画の返還や損害賠償を求める訴訟を昨年12月に米中西部イリノイ州の連邦裁判所に起こしたことが4日分かった。

 銀行家は1930年代、ナチス・ドイツが台頭する中で「ひまわり」を含む美術コレクションを手放した。SOMPOの前身の一つである安田火災海上保険が87年に競売で落札した際、出所に関心を払わず商業目的で利用し続けてきたとしている。返還のほか、不当に得た利益に対する懲罰的な損害賠償として約7億5千万ドル(約1千億円)を求めた。落札額は約4千万ドル(当時のレートで50億円超)だった。

 SOMPOホールディングスは「正式に訴状を受け取っていない」とした上で「クリスティーズ社のオークションで売り主も確認して購入し、35年にわたって一般展示をし続けている絵画で所有権の正当性には疑いの余地はない」としている。

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