魔法使いアキット「心は女性」公表で2つの人生、表現に幅「これからも闘う」

 女性の姿の「愛樹」の画像(左)を見せながら語る魔法使いアキット
 取材に応じた魔法使いアキット=東京・渋谷区のシアター・アルファ東京
 空中浮遊のマジックを披露する魔法使いアキット=東京・渋谷区のシアター・アルファ東京
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 昨年10月に、心は女性、体は男性のトランスジェンダーであることを自身のYouTubeで告白したマジシャン・魔法使いアキット(34)が7日、東京・渋谷区のシアター・アルファ東京でライブツアー「魔法使いの頭の中~雪の降る音~」の東京公演をスタートさせた。

 本番前の取材会で「普段は女性として過ごしている」とあらためて説明。母親は当初、女の子が生まれてくると思っており、「愛樹(あき)」と名付けようとしていたという。アキットは普段はその「愛樹」の名前で、女性として生活しており、SNSなどでも「愛樹」の姿を見せている。

 保育園のころから無意識に女性的な行動をしており、中学生のころにははっきりと性別に違和感を持っていた。頃から、自身の性について違和感があったという。苦しさのあまり「生きるのをやめよう」と考えたこともあったが、「アキット」となってかわいい衣装を着用し化粧をすることで心を持ち直した。

 カミングアウトした理由を「言えば楽になる。アキットとして面白いことができる」と説明した。女性の「愛樹」とパフォーマー「アキット」の2つの人生を生きると決意。これまでは男性役に苦しさがあったが、カミングアウトしたことで「ヒゲをつけるのを本当に嫌ってたんですが、いまは振り切って描いてる」と変化があったことも明かした。

 カミングアウト後は「こんなに変わるんだ。女性に生まれてたらこんな言葉をかけてもらえるんだって」と心境の変化も。一方で「男性で生まれてきたことは一生消えないんですね」とモヤモヤした思いが残っていることも明かした。「これから闘っていかなきゃな。引っ張っていく側に行こう」と同じ悩みを抱える人の希望となるよう、燃える気持ちを明かした。

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