鼻出しマスクで反則負け 対局相手注意→立会人4回注意→反則負け可能性通知も従わず【将棋連盟が経緯説明】
日本将棋連盟は11日、10日に関西将棋会館(大阪市福島区)で行われた第81期順位戦C級1組9回戦、平藤眞吾七段対日浦市郎八段戦における日浦八段の反則負けの裁定について、経緯と詳細を報告した。
それによると、対局開始前に、日浦八段が鼻を出してマスクを着用していたことから、平藤七段が鼻を覆った「正しいマスクの着用」を求めたが、日浦八段がこれを了承せず、平藤七段が対局開始後に立会人に対応を求めた。
立会人は即座に日浦八段に対して臨時対局規定に従って、「正しいマスクの着用」を行うよう注意したが、本人が聞き入れず、その後、3回に渡って立会人が同様の注意を繰り返した。
しかし、日浦八段が「正しいマスクの着用」を拒み続けたため、立会人から注意に従わない場合は反則負けにする可能性がある旨を通知。それでも本人は従わないと回答。立会人が臨時対局規定第3条及び第4条に基づき、日浦八段の反則負けを裁定した。
同連盟は、「昨今の社会情勢を鑑みた場合、対局中のマスク着用義務の有無については議論があるところ」とした上で、「所属する棋士・女流棋士には、高い公共性を求められる公益法人として政府の方針・基準に則った対応をする旨を定例報告会の場で示しております」と説明。「コロナ禍の最新状況を見極めつつ、同規定の改善や改廃について適切に判断して参ります」と規定の見直しもありえるとしている。