ジェフ・ベックさん死去 細菌性髄膜炎78歳 世界三大ギタリストの1人
「世界三大ギタリスト」と称された英ロック・ギタリスト、ジェフ・ベックさんが10日に細菌性髄膜炎のため死去したことが11日、公式サイトや公式ツイッターで発表された。78歳。英サリー州ウォリントン出身。1960年代、ともに英ロックバンド「ヤードバーズ」で歴代のギタリストを務めたエリック・クラプトン、ジミー・ペイジと並び世界三大ギタリストと称され、ポール・マッカートニーら多くのミュージシャンに影響を与えた。
公式サイトは「昨日(10日)、安らかに息を引き取りました」と発表した。ベックさんは昨年、英ツアーを行い、米俳優ジョニー・デップとの共演アルバム「18」をリリース。英ヘビーメタル歌手オジー・オズボーンのアルバム「ペイシェント・ナンバー9」にも参加するなど精力的に活動していた。
65年、クラプトンの後釜としてヤードバーズに加入したが、翌年には脱退。68年、ソロシングル「ハイ・ホー・シルバー・ライニング」のヒット後にロッド・スチュワート、ロニー・ウッドらとジェフ・ベック・グループ(JBG)を結成した。レッド・ツェッペリンと並ぶ、ハードロックの元祖とされる。
71年に第2期JBGを結成。解散後の72年に米バンド「ヴァニラ・ファッジ」のティム・ボガート、カーマイン・アピスと「ベック、ボガート&アピス」を結成し、初来日公演も実現した。
解散後、75年のインストアルバム「ブロウ・バイ・ブロウ」が大ヒット。76年の「ワイアード」などでギター少年のカリスマとなった。70年代後半からはフュージョン、99年のアルバム「フー・エルス!」からはテクノなどジャンルレスの独創的なサウンドをストイックに追究し、超人的な演奏でギターの可能性を拡大し続けた。
2003年には世界三大テノールの1人ルチアーノ・パヴァロッティのアルバムに参加。グラミー賞8度、ヤードバーズとソロで92年と09年の2度の「ロックの殿堂」入りなどの栄誉にも輝いた。
また、たびたび来日公演を行い、夢の顔合わせも実現。09年2月21日にはさいたまスーパーアリーナで、クラプトンと四つに組んだライブを世界で初めて行った。16年11月11日に両国国技館で開催されたイベント「クラシック・ロック・アワード」ではペイジがベックのプレゼンターを務め、日本では初の2ショットを披露。17年2月7日の尼崎・あましんアルカイックホールが最後の来日公演となった。