大阪淀川の迷いクジラ死ぬ 処理方法を検討
大阪市の淀川河口近くで見つかったクジラについて、市は13日、専門家による現地調査で死んでいることを確認したと発表した。体長推定15メートルのマッコウクジラで性別は不明。迷い込んだ後、同じ場所に数日間とどまり、潮吹きもみられない状態が続いていた。市は今後、大阪港湾局をはじめ関係機関と協議し、処理方法を速やかに検討する。
日本鯨類研究所(東京)によると、死骸は地中への埋設や焼却、沖合で海中に沈めるなどの処理が考えられる。同研究所の田村力さんは取材に、息継ぎをする際に潮を吹く頭部の噴気孔が11日から海中に沈んだままだったとして「何らかの原因で衰弱した状態で、現場に迷い込んだのではないか」と指摘した。
クジラは9日朝に発見され、11日午後3時ごろからは動きが確認できていなかった。13日午前に大阪市港区の水族館「海遊館」職員らが船でクジラに近づき、呼吸の有無などを確認。交流サイト(SNS)上では「淀ちゃん」と愛称が付けられ、安否を気遣う声があふれていた。
港湾局によると、2021年7月には大阪沖でクジラの死骸を発見、港湾局の船で港までえい航し、陸揚げした。いったん地中に埋めて骨格を取り出し、22年12月から大阪市立自然史博物館に保管されている。