週刊朝日が休刊 日本最古の総合週刊誌が100年超の歴史に幕 デジタル化進み部数減

 朝日新聞出版の雑誌「週刊朝日」が、5月末に発行する6月9日号で休刊することが分かった。同社がホームページで19日明らかにした。「販売部数・広告費が縮小するなか、ウェブニュースや書籍部門に注力する」などとしている。「日本最古の総合週刊誌」とされる同誌は、出版不況を背景に、100年を超える歴史に事実上、幕を下ろす。

 「週刊朝日」は、新聞社発行の雑誌として誕生、100年を超えて日本の激動を報じ、著名作家らの名物連載も輩出した。一方で、メディアのデジタル化が進む近年は、読者がインターネット媒体にシフト。1950年代のピーク時に100万部を超えた発行部数の急減に直面していた。

 1922年に「旬刊朝日」として創刊、直後に現在の誌名に変更した。翌年9月1日に関東大震災が発生した際には、大阪で印刷して同9日に通常通り発行、全国に被害状況を伝えた。敗戦後間もない48年には、作家の太宰治と共に入水自殺した山崎富栄の日記を掲載し、大きな反響を呼んだ。

 50年代以降、出版社が相次ぎ週刊誌を創刊し、芸能記事や成人向けグラビアなどを売りにする流れとは一線を画し、政治、経済、教育などの話題を中心に硬派な内容の誌面を展開、読者の支持を得た。

 78年から97年まで篠山紀信さんが表紙の写真の撮影を担当。80年から始まった「女子大生シリーズ」は、当時・熊本大学の学生だった女優の宮崎美子が第1号の表紙を飾って大きな注目を集め、人気シリーズとなった。司馬遼太郎さんの「街道をゆく」、村上春樹さんの「村上朝日堂」など人気作家の連載も話題を呼んだ。

 ネット普及による出版不況の中で、08年に分社化で発行元が朝日新聞社から朝日新聞出版に移った。新聞社系の週刊誌では、読売新聞が同年に「読売ウイークリー」を休刊。毎日新聞出版の「サンデー毎日」は22年5月から発行回数を減らしている。

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