読売テレビ社長 記録媒体紛失「根が深い問題」 「ルール守っては番組作れない」との声も
読売テレビの社長会見が23日、大阪市内の同局で開かれ、昨年12月に同局番組スタッフが映像素材が入った記録媒体を紛失したことについて、大橋善光社長(68)は問題発生の背景などを11分にわたり語った。
同社では番組映像素材を社外に持ち出す際、個人所有の記録媒体の使用を禁止していたが紛失時はそのルールが守られていなかった。これまでの実態調査でルールの存在を知らなかった人や、知っていたが守らなかった人がいたことが判明。規定に従わなかった理由について「ルールを守っていたら番組が作れない」という趣旨の回答も少数あったという。
大橋社長は回答を「私は最初、愕然としたんですけど本当に申し訳ないなというのが率直な気持ち」と受け止めた。「こちら側はルールを守り、限られた予算人員の中で最大限頑張ってと言っているつもりだったが、現場の方、協力してくださっている社員ではないスタッフさんから見ると、ルールを守っていたら作れないようなものを作れと言われて、致し方なくルールに目をつぶっていたということではないかと感じた。ものすごく申し訳ない」と述べた。
当該スタッフに対しても「本当に申し訳ないことをしたなと思います。遅くまで仕事されて、始発か何かで…。うとうとしますよね。たまたまそこに、本来持ってはいけないものをうちがお渡ししていたとすると、わが社の罪は重いし、誠に申し訳ない」と語った。調査結果をもとに再発防止策を徹底するとし、「根が深い問題。きわめて深刻に受け止めています」と話した。
同社では、昨年12月10日の早朝に、番組スタッフが電車内で記録媒体が入ったカバンを紛失し、警察に遺失物届を提出。電車内で居眠りをしていたところ盗難された可能性が高いと同月12日に発表した。記録媒体には放送前を含む複数の番組に関わるロケ取材やスタジオ収録した映像素材が入っており、ロックはかかっていなかった。