日本列島は２５日、この冬一番の寒気が流れ込み、北日本から西日本の日本海側を中心に大雪が降った。関西のＪＲ在来線や新名神高速道路などで立ち往生が発生するなど交通機関に大きな影響が出た。

　近畿では大雪の影響で発生したポイントの故障で、２４日夜からＪＲ京都線などで多数の乗客が列車内に閉じ込められ、夜を明かした。ＪＲ西日本は大阪市内の本社で会見し、故障の理由について、実際より少ない降雪量を想定し、融雪設備を稼働させていなかったためと明らかにした。三津野隆宏近畿統括本部長は「多数のお客さまに多大な迷惑をおかけした」と謝罪した。

　２４日午後７時ごろ、向日町駅（京都府向日市）構内でポイントが降雪のため切り替わらなくなった。京都駅などでも同様に切り替え不良が計２１カ所発生し、山科－高槻間で１５本が駅間で一時動けない状態になったという。

　１５本では乗客が数時間車内で待機し、うち２本の乗客は降車し最寄り駅まで歩いた。乗客が降りた２本のうちの１本は、２４日午後７時過ぎに停車し、午後１１時ごろから乗客が降り始めた。最後の乗客の降車は翌２５日午前５時半。体調不良を訴える人もおり、乗客１６人が救急搬送された。

　三津野本部長はポイントの切り替え不良を解消する作業を優先したとして「夜間に乗客を降ろすことにちゅうちょし、（降車の）判断までに長時間を要した」と述べた。

　大津市に住む会社員の４０代男性は２４日夜、京都駅を出た直後の車内に閉じ込められ、約７時間後の２５日未明に３０分ほど線路上を歩き、山科駅に着いた。「まともな誘導がなく、うんざり」と話した。

　東海道・山陽新幹線は一部区間で速度を落として運行。秋田、東北新幹線もポイントの不具合で遅れが出た。

　全日空と日航によると、２５日は計３５０便以上が欠航した。