宝塚 月組「応天の門」で平安クライム トップ月城かなと「元気に頑張りたい」
宝塚歌劇月組「応天の門/Deep Sea」が4日、兵庫・宝塚大劇場で初日を迎えた。
「応天-」は学問の神様・菅原道真の青年期を描いた灰原薬氏原作の同名人気漫画。トップスター・月城かなと演じる道真が、在原業平(鳳月杏)と、謎の女性・照姫(トップ娘役・海乃美月)とともに、都で起きる怪事件を次々と解決していく。芝居に定評のある月城は、若さ故に世間に対して斜に構えた部分と葛藤を繊細に表現した。
また原作漫画の特徴的な三白眼の目つきも、芝居巧者の月城らしく、独自の眼力で表現。鬱屈(うっくつ)した思いを目でも訴えた。原作では約20歳の年の差がある業平と、まさに“平安の最強バディ”として、丁々発止のやりとりをみせた。
業平は恋多き男だが、過去の恋人との別れを忘れずにいる。さらに大局的な目で物事を判断できる大人として描かれ、鳳月はそんな懐の深さを絶妙なあんばいで演じた。
トップ娘役の海乃は、今回は月城と恋に落ちる役ではないが、これまでの経験と、2人の関係性があって成り立っている。
さらに風間柚乃が道真らと対峙(たいじ)し、立ちはだかる藤原基経を好演。礼華はる、彩海せらといった期待のスターも、重要な役どころで成長を見せた。
ショーはラテンをテーマに、深海を舞台に繰り広げられた。デュエットダンスは、タンゴの調べにのせ、感情が発露し、緊迫した雰囲気を漂わせる振付。圧巻のシーンとなった。
また組長の光月るうをはじめ、“芝居の月組”をもり立ててきた千海華蘭、朝霧真、清華蘭、結愛かれん、花時舞香、蘭世惠翔が退団。それぞれに見せ場が与えられていた。
初日に先立ち行われたゲネプロでは、月城が「元気に頑張りたいと思います」とあいさつしていた。
3月6日まで。