藤井聡太竜王 最年少六冠へ2・5棋王戦開幕 1年ぶりタイトル挑戦「新鮮な気持ち」渡辺棋王には過去10勝1敗
将棋の藤井聡太竜王(20=王位、叡王、王将、棋聖との五冠)が渡辺明棋王(38=名人との二冠)に挑戦する第48期棋王戦五番勝負第1局が5日、長野市「長野ホテル犀北館」で開幕する。両対局者は4日、前日検分を行い、会見を行った。
羽生善治九段(52)以来史上2人目、最年少となる六冠に挑む藤井竜王。昨年王将戦以来の約1年ぶりのタイトル挑戦に、「挑戦者として対局するのは新鮮な気持ちはあります」と高揚感たっぷり。一方で記録には無関心の“通常運転”で、「六冠を目指す意識は持っていない。王将戦と並行して戦う中でよいパフォーマンスを出せれば」と息巻いた。
1年ぶりに相まみえる渡辺棋王について、「緻密に戦略を立ててこられている印象。中終盤も含めてうまく指された将棋が多かったと感じます」。Wタイトル戦となるが、過密スケジュールも苦にはならない。「対局は多い状況ですが、充実感はある。体調に気を付けながらプラスにできれば」と語った。
対渡辺棋王とのタイトル戦は4度目で、過去10勝1敗と圧倒している。渡辺棋王は「藤井竜王の対戦は他の棋士と違った対策が求められる。前回まではいいところがなかったので、今回はいいものを見せなくてはという気持ちがあります」と警戒マックスで臨む。
羽生九段は1994年に24歳2カ月で六冠を達成しており、藤井竜王が奪取すれば3年以上の大幅更新となる。前人未到の八冠到達へは、棋王以外にも名人と王座が残っており、最速で獲得すれば今年秋ごろ達成となる。